
こんにちは、未来ヨムです! 今日も楽しく未来を予知っていきましょう。
投票はもう終わっている。それでも答えは、まだどこにもない
えっ、あのペンギンの後任が、もう3つまで絞られてるの!?
――そうなんです。2027年3月31日に「卒業」するSuicaのペンギン。その後任を決める選考投票が、2026年9月8日15時から9月23日23時59分まで行われました。締め切られたのは、この記事が出るちょうど前日。つまり投票用紙は、もう全部箱の中です。
なのに、結果が発表されるのは11月18日。締め切られた9月23日から数えて56日間、誰も答えを知らないまま待つことになります。この空白こそ、今回の予言テストの舞台なんです。
実は去年、私はこの題材で一度予言テストを出しています。そのときは「後任のモチーフは何か?」を11の選択肢で聞きました。私が本命に挙げたのは、ネコ・カワウソ・AIロボットの3つ。
結果はどうだったか。最終候補に残ったのはリス・うさぎ・オレンジの子の3案で、去年の11択に名前があったのはリスただ1つでした。うさぎもモグラも、そもそも選択肢に入れていなかったんです。
「Suicaらしさ」から連想した候補は、きれいに全部外れました。今回もきっと、同じ落とし穴があります。
【予言テスト】
2027年3月31日に「卒業」するSuicaのペンギン。後任を決める選考投票が9月23日23時59分で締め切られ、Suica誕生25周年の11月18日(水)に新たなイメージキャラクターが発表されます。最終候補3案のうち、選ばれるのはどれ?① A案「リス」
② B案「うさぎ」
③ C案「オレンジの子」(ポシェットに小さなモグラを入れたキャラクター)
④ その他(3案以外が発表される、11月18日中に発表されない、など)締切:2026年11月17日(火) 23:59
25年めのバトンタッチ ―― なぜペンギンは卒業するのか
Suicaがサービスを始めたのは2001年11月18日、首都圏エリア424駅からでした。いまではカードとモバイルを合わせて約1億2,000万枚(2025年10月末時点)が発行されています。日本でいちばん顔の知られたキャラクターのひとつが、あのペンギンです。
卒業が発表されたのは2025年11月11日の会見でした。撤回を求めるオンライン署名には、1週間弱で2万5,000筆以上が集まっています。今回の3案が公開されたあとも「ペンギンのままでいい」という声は根強く残りました。
JR東日本の説明はこうです。
Suicaが「移動のデバイス」から「生活のデバイス」へと新たなフェーズに入ることから、新たなイメージキャラクターへのバトンタッチをすることといたしました
ここで、答えを考えるうえで外せない事実がひとつあります。Suicaのペンギンには「原作」があるんです。
絵本作家の坂崎千春さんが1998年から描いてきた絵本のペンギン。それが元になって、2001年のキャンペーンに起用され、2003年の「ビュー・スイカカード」をきっかけにSuicaの顔として定着しました。著作権の表記は坂崎さん・JR東日本・電通の3者です。
ほかの交通系ICカードのマスコットは、そのサービスのために一から作られたもの。でもSuicaのペンギンだけは、先に絵本があって、あとからSuicaが借りた形なんですね。
つまり新しいキャラクターは、JR東日本が自分たちで一から育てていける存在として設計されています。3案を読むときは、ここを出発点にすると筋が通ります。
3案はこうして生まれた
公式が公開している選考プロセスは、こういう流れです。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年3月 | JR東日本グループ社員の想いを集約 |
| 2026年7月 | 若手クリエイターによる原案制作 |
| 2026年8月 | 選考委員会によるデザイン選出(3案に絞り込み) |
| 2026年9月 | キャラクター投票 |
| 2026年11月 | キャラクター決定 |
| 2026年11月〜 | 愛称募集 |
| 2027年1月 | 選考委員会による愛称審査 |
| 2027年3月 | 愛称発表・バトンタッチ式 |
ここで大事なのは、11月18日に決まるのは「顔」だけだということ。名前(愛称)はこれから公募されて、発表は2027年3月です。だから今回の予言テストは、名前ではなくデザインを当てる問題になっています。
そして3案を選んだ選考委員会の座長は、絞り込みにあたって次の3点を大切にしたと説明しています。
「長いあいだ愛されるキャラクターになり得るか」
「幅広い層に共感してもらえる多様性を持ち合わせているか」
「そのキャラクターの豊かな物語を想像できるか」
この3つ、あとで効いてきます。覚えておいてください。
「最も投票数が多かったキャラクター」と書かれた一文
今回の投票規約には、決定方法がこう書かれています。
選考委員会にて集計後、最も投票数が多かったキャラクターが「Suica新キャラクター」となります
投票は1人1票。年齢・性別・職業・国籍は問わず、国内外の誰でも参加できました。
なんだ当たり前じゃないか、と思いますよね。でもこの一文、実はけっこう重い意味を持っています。
同じJR東日本は2018年、山手線の新駅の駅名を公募しました。集まった応募のうち最も多かったのは「高輪」で8,398件。ところが実際に採用されたのは、36件で130位だった「高輪ゲートウェイ」でした。当時「最多得票をそのまま採用する」とは約束していなかったので手続き上の問題はないのですが、「じゃあ何のための公募だったの?」という批判が残りました。
ペンギンの卒業が発表された直後、JR東日本は新キャラクターの決め方について「誕生プロセスについては検討中」としか答えていませんでした。そこから約10か月かけて出てきたのが、順位がそのまま結果になると明記した規約だったわけです。
ただし、規約はこうも書いています。
投票結果は、不正投票の確認・集計作業を行ったうえで確定します
さらに、重複投票や自動投票と判断した場合は「必要に応じて全ての投票を無効とする場合があります」という一文まであります。
だから、投票箱は閉じていても、まだ答えはどこにも存在していません。集計も、不正票の確認も、これからだからです。ここが今回の予言テストが成り立っている理由で、私はここがいちばん面白いところだと思っています。
結果が決まる日と、そこまでの見どころ
結果が確定するのは2026年11月18日(水)。Suicaがサービスを始めた日からちょうど25年の当日に、「キャラクターお披露目式」で発表されます。
この予言テストの締切を前日の11月17日(火)23:59にしたのは、お披露目式の開始時刻がまだ公表されていないからです。当日を締切にすると、式が朝なのか夕方なのかで有利不利が出てしまいます。
締切までの見どころは3つあります。
1つめ。途中経過は出ません。 公式は得票数の中間発表を予定していませんし、順位を報じたメディアも確認できませんでした。ということは、これから増える新しい情報はほとんどないということ。締切ぎりぎりまで待っても材料は増えないので、いま考え切ったほうがいい問題なんです。
2つめ。11月18日は、去年の予言テストの答え合わせの日でもあります。 去年の判定方法は「後任のキャラクターが確定したタイミングで判定します」でした。同じ日に2つの問いが同時に決着します。
3つめ。同じ日から愛称の公募が始まります。 顔が決まった瞬間に、今度は名前を考える番。予言テスト的にも、次の題材がその場で生まれるわけですね。
3つの案を読み解く
ここからは3案を順に見ていきます。並び順は公式サイトの掲載順で、有力そうな順ではありません。また「どの案がどの選考基準に強いか」の対応づけと、本命・対抗・単穴の印は、公式の説明ではなく私の読みです。
① A案「リス」――本命
体の頭からしっぽの先まで通っている黒い模様は、「1本のライン(=RAILWAY)」を図案化したもの。「日本をつなぎ、人々の生活をつなぐ」という発想から来ているそうです。柔らかい曲線でできた体は親しみを表していて、制作者は「そっと寄り添ってくれる友だちのような存在になってほしい」としています。
注目したいのは、3案のなかで「何の動物か」が一目で分かる唯一の案だということ。表情も他の2案より豊かです。選考基準の1つめ「長いあいだ愛されるか」に、いちばん素直に応えている形になっています。
投票が始まった直後から「実質これで決まりだろう」という受け止めが広く出たのも、この分かりやすさゆえでしょう。
② B案「うさぎ」――対抗
紫色の体は、「『スイスイ(安心)』を象徴する青と、『ワクワク(感動)』を象徴する赤が混ざり合って生まれる色」なのだそうです。うさぎにしては長すぎる耳は、「人と街、未来をつなぐ存在として、周囲の声に耳を傾け」る姿勢の表れ。制作者は「『やってみよう!』と挑戦する背中をそっと押し」たいと語っています。
この案、評価がいちばん割れました。 「何の動物か分からない」という声が出た一方で、投票初日からファンアートが次々に描かれ、「見ているうちに好きになった」という反応が広がったんです。
思い出してほしい前例があります。大阪・関西万博の公式キャラクターは、2022年の発表当初「気持ち悪い」と言われました。それが開幕後に評価が一転して、公式グッズは2025年8月末時点で約800億円を売り上げています。第一印象の悪さは、必ずしも敗因ではないんですね。
③ C案「オレンジの子」――単穴
この案、公式は何の動物をモチーフにしたかを明記していません。あえて分からなくしているのが制作者のこだわりだそうです。ポシェットに入っている小さいほうがモグラで、「土の中しか見たことのないモグラに、色んなところを見せてあげよう」という物語があります。
選考基準の3つめ「豊かな物語を想像できるか」に、最も強く応えた案です。3案で唯一の2人組でもあります。
弱みもはっきりしています。物語を読んで初めて意味が分かるので、一目で伝わる情報量では他の2案に負けていること。投票は画像を見た数秒で決まることが多いので、ここは不利に働きます。
④ その他(保険枠)
新しいイメージキャラクターは、①〜③のどれかに必ず決まります。投票はすでに行われていて、規約も最多得票の案を採用すると書いているからです。だから④は「制度が想定どおりに動かなかったとき」をまとめて受け止める枠になります。
中身は3つ。3案以外のキャラクターが発表される場合(高輪ゲートウェイの記憶から「今回も1位が採用されないのでは」と疑う声は実際に出ていますが、今回は規約の前提が違います)。11月18日中に発表が行われない場合。そして投票規約の免責事項にある「本企画の一部または全てを事前に通知することなく変更・中断または中止、終了することができる」に当たる場合です。
判定はシンプルで、日本時間の11月18日中にA案・B案・C案のいずれかが発表されれば①〜③、そうでなければ④。締切の翌日には必ずどれか1つに決まります。
まとめ
3案を並べてみると、公式が掲げた3つの基準を1つずつ代表する組み合わせに見えてきます。親しみのA案、多様性のB案、物語のC案。これは公式がそう説明しているわけではなく、3案のコンセプト文と選考基準を突き合わせた私の読み方です。そう見ると、投票は「どのキャラが好きか」ではなく「Suicaに何を託したいか」を選ぶ行為だったことになります。
参考になる数字をひとつ。最終候補3案から投票で選んだ直近の大きな事例は、東京2020大会のマスコットでした。全国20万5,755クラスが投票して、ア案10万9,041票/イ案6万1,423票/ウ案3万5,291票。1位が53.0%で過半を取り、3位の3.1倍という差がつきました(投票したのが小学校のクラス単位である点は、今回と違います)。3択は、意外と割れないんです。
投票箱はもう閉じました。それでも答えは、まだ誰も持っていません。あなたはどれを予知りますか?
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございましたー!
この記事の基準日について:本文の事実・数値は、2026年9月13日時点で公表されているものです。Suicaの発行枚数は2025年10月末時点の公表値、東京2020大会マスコットの得票数は2018年2月28日発表の確定値です。3案のコンセプトは、いずれもJR東日本および制作者による公式の説明にもとづいています。投票の途中経過は本記事の基準日時点で公表されていません。
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