
こんにちは!今日も楽しく未来を予測していきたいと思います!
5連覇が止まった、その翌年です
いきなり数字から入りますね。380点満点で、351点・349点・348点。これ、去年の浅草サンバカーニバルS1リーグの、1位から3位までの得点です。1位と3位の差が、たったの3点。
しかも、この3位が問題なんです。3位に沈んだのはG.R.E.S.仲見世バルバロス。第35回から第39回まで5大会連続で優勝していた、浅草の絶対王者でした。第39回では6つの審査項目すべてで最高点を取って360点、2位に18点差という圧勝だったのに、その翌年、3点差の3位。連覇が止まりました。
そして今年、第41回浅草サンバカーニバル パレードコンテストは2026年8月29日(土)13時から、東京・浅草の馬道通り〜雷門通りで開かれます。この8月29日という日付、実は第1回が開かれた1981年8月29日とまったく同じなんです。
偶然……と言いたいところですが、これは偶然ではありません。この大会は8月の最終土曜日に開くのが慣例で、1981年8月29日も2026年8月29日も、その年の8月最後の土曜日にあたります。ということは、8月29日開催は過去にもあったはずですよね。数えてみました。1981年(第1回)、1987年(第7回)、1992年(第12回)、1998年(第18回)、2009年(第29回)、2015年(第34回)、そして今年。8月29日のカーニバルは、今年で7度目です。
で、ここからが面白いところ。直近の8月29日開催だった2015年の第34回、このとき優勝したのがエスコーラ・ヂ・サンバ・サウーヂ。今年トリを務める、あの前回王者です。11年前の8月29日に頂点に立ったチームが、同じ8月29日に連覇を狙う。そう並べると、ちょっと運命っぽく見えてきませんか?
というわけで、今回みなさんに予知っていただくのは、ずばり「S1リーグで優勝するのはどのチームか」。私と一緒に未来を予知っていきましょう!
華やかな見た目の裏は、ガチンコの採点競技です
「サンバはどうでしょう?」から始まりました(ただし異説あり)
まずは大会そのものの話から。
浅草サンバカーニバルが始まったのは1981年。実行委員会が公式サイトで語っている経緯はこうです。1970年代後半、テレビの普及で浅草の演芸場や映画館から人が遠のいていた時期。これを憂慮した当時の台東区長・内山榮一氏が、浅草ゆかりの喜劇俳優・伴淳三郎氏に相談を持ちかけ、伴氏が提案したのが「サンバはどうでしょう?」というひと言だった、と。そして1981年の前年にあたる1980年にブラジルへ視察団を派遣して現地でサンバ文化を学び、翌1981年8月29日に第1回が開かれました。
……のですが、この起源話、実は異説もあるんです。Wikipedia日本語版には、兵庫県神戸市が神戸まつりですでにサンバパレードを行っていたことから、浅草の商店街や観光連盟が読売新聞社を通じて神戸まつり関係者にコンタクトを取り、そのアイデアを流用したのが真相で、伴淳三郎氏の話は後づけだという指摘が載っています。どちらが本当かを私が決められる話ではないので、「公式にはこう語られていて、こういう指摘もある」という形でお伝えしておきますね。
もうひとつ、この大会の性格を決めた出来事があります。2000年にAESA(浅草エスコーラ・ヂ・サンバ協会)が発足したことです。AESA自身の説明によれば、浅草サンバカーニバルが20周年を迎えたのを機に、1部リーグ(現S1)のチームを束ねる団体として立ち上がりました。それまで審査は著名人の審査委員長の意向が強く反映されていたといわれますが、AESAの提言を経て、ブラジルやサンバに関心のある審査員が選ばれ、その点数が結果に大きく反映されるようになりました。つまりこの大会は、途中から本気の採点競技になったんですね。
いまでは公式が「50万人の歓声」と表現する規模で、去年の第40回は実行委員会の発表で約47万人が来場しています。約800メートルのコースを、華やかな衣装と迫力ある演奏で埋めていく——のですが、名前は「パレードコンテスト」。見た目の華やかさの裏で、チームはガチンコで順位を争っています。
380点をどう分け合うか
コンテストの対象になるのはS1リーグとS2リーグの2つ。S1が最高峰で、8チーム以内、メンバーは150名以上(300名程度が上限の目安)。しかもオリジナル曲と、アレゴリアと呼ばれる山車(または装飾音響車)が必須です。S2は30名以上150名未満で、既成曲もOK。規模がそのままリーグの区分になっているんですね。
審査項目は6つ。「テーマの表現」「躍動感」「衣裳」「演奏」「ダンス」が各60点満点、そして「総合評価」が80点満点で、合計380点満点です。
この60点と80点の差が、ちょっと面白いところ。前の5項目は専門審査員8名が採点し、そのうち最高評価と最低評価の2名を除いた6名分を合計して60点満点。極端な点が効きにくい設計です。いっぽう「総合評価」だけは、その専門審査員6名分に、一般審査員2名の総合評価を加算して80点満点になります。つまり6項目のうち1項目には、サンバの専門家ではない目線が混ざる仕組みなんですよ。
そしてここが今年の予知りポイントなんですが、減点があります。審査結果表には「マナー点」という欄があって、実際に−10が付いた例が何度もあります。加えてS1リーグでは、リオのカーニバルに倣った3要素——先導隊(公式表記は「コミサン・ジ・フレンチ」。原語は comissão de frente)、旗手とその守り役のペア(ポルタ・バンデイラ&メストレ・サラ)、4名以上のバイアーナ——を欠くと、1要素ごとに10点減点というルールもあります。
もうひとつ。S1の最下位はS2に降格し、S2の優勝チームはS1に昇格します。だから顔ぶれが毎年少しずつ入れ替わるんですよ。
去年の3点差、その中身
では第40回(2025年8月30日)のS1リーグの結果を、公式の審査結果から並べてみます。ちなみにこの日の東京は最高気温38.5℃、2025年でいちばん暑い日でした。
| 順位 | チーム | 合計 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | エスコーラ・ヂ・サンバ・サウーヂ | 351.0 | 10年ぶり4度目の優勝 |
| 2 | 学生サンバ連合 ウニアン・ドス・アマドーリス | 349.0 | アサヒビール特別賞 |
| 3 | G.R.E.S.仲見世バルバロス | 348.0 | アレゴリア外務省中南米局長賞 |
| 4 | G.R.E.S. アカデミコス ダ グローリア | 312.0 | S1初参戦 |
| 5 | G.R.E.S. ALEGRIA | 305.0 | 総合得点315.0+マナー点−10 |
| 6 | G.R.E.S. リベルダージ | 302.0 | S2へ降格 |
まず5位のALEGRIAを見てください。総合得点は315点で、4位のグローリア(312点)より上なんです。それがマナー点の−10で305点になり、順位がひとつ下がりました。3点差の世界で10点の減点。効きますよね。
そして本題。上位3チームの3点差は、項目別に見ると中身がまったく違います。
| 項目(満点) | サウーヂ | ウニアン | バルバロス |
|---|---|---|---|
| テーマの表現(60) | 55 | 54 | 55 |
| 躍動感(60) | 55 | 58 | 54 |
| 衣裳(60) | 55 | 52 | 55 |
| 演奏(60) | 55 | 56 | 53 |
| ダンス(60) | 56 | 54 | 56 |
| 総合評価(80) | 75 | 75 | 75 |
| 合計 | 351 | 349 | 348 |
いくつも読みどころがあります。
ひとつ。総合評価は3チームとも75点で並んでいます。つまり3点差は、残る5項目だけでついた差なんです。
ふたつ。サウーヂには落とした項目がありません。55・55・55・55・56。5項目すべてで55以上を取ったのは、S1でこのチームだけでした。突き抜けた項目はないのに1位。穴のなさで勝ったかたちです。
みっつ。ウニアンは躍動感58点、演奏56点で、この2項目はS1全体の単独トップ。躍動感の58点は、6チーム30項目のなかでいちばん高い数字です。ではなぜ2点足りなかったのか。衣裳が52点で、サウーヂ・バルバロスの55点に3点負けているんですね。あと2点の正体は、ここです。
よっつ。バルバロスは、テーマの表現55・衣裳55・ダンス56がサウーヂと同じ最高値。落としたのは演奏53点で、ウニアンより3点、サウーヂより2点低い。3点差の正体もまた、1項目にありました。
王者の12点はどこへ消えたのか、も見ておきましょう。バルバロスの第39回→第40回はこうです。テーマ60→55、躍動感57→54、衣裳57→55、演奏56→53、ダンス56→56、総合評価74→75。下がったのは4項目で、いちばん大きい失点でもテーマの−5。ダンスは56点を維持し、総合評価はむしろ1点上げています。ひとつの項目が崩壊して12点が飛んだのではない、というのがこの−12の中身でした。だからこそ、戻すのも難しくないかもしれない——という読み方もできますね。
ちなみに優勝したサウーヂは、横浜市野毛を拠点とする1986年結成のチーム。前回の優勝は2015年の第34回だったので、これが10年ぶり4度目のS1制覇でした。チームの出場レポートによれば、創立40周年と日本ブラジル外交関係樹立130年という節目に「生命は巡る〜食らい尽くし、出し尽くせ! 40年の生命を受け継ぎ、未来へ弾けろ!〜」というテーマを掲げ、約300名でパレードしたそうです。
いっぽうその前年、第39回(2024年9月15日)はまったく違う光景でした。5年ぶりの「完全復活」開催となったこの回、バルバロスは6項目すべてで最高点。うちテーマの表現60・躍動感57・衣裳57・ダンス56の4項目は単独トップで、残る演奏56は自由の森学園サンバ音楽隊と、総合評価74はウニアンと最高点タイでした。合計360点、2位のサウーヂは342点で18点差の圧勝です。3位のウニアンは343点からマナー点−10で333点。実はこれ、4位の自由の森学園とまったく同じ333点で、同点判断(総合評価74対73)でウニアンが3位になったという、際どい決着でした。
その1年後に、18点差が3点差になった。これが今年のいちばんの読みどころです。
答えが確定するのは、8月29日(土)の夕方です
結果が確定するのは2026年8月29日(土)、パレードコンテストが終わったあと、実行委員会が審査結果を発表した時点です。去年の第40回は、開催当日の18時台に審査結果が公開されました。当日のうちに答え合わせができるタイプの未来クイズですね。
予知るうえで押さえておきたいポイントを3つ。
ひとつめ。トリを務めるのは前回王者です。公式サイトが「▼スタートの順番です」として発表したS1の並びは、①インぺリオ ド サンバ →②ALEGRIA →③アカデミコス ダ グローリア →④仲見世バルバロス →⑤ウニアン・ドス・アマドーリス →⑥サウーヂ。ごらんのとおり、前回順位の下位から並んでいます(出場チーム規定にも、前年の成績下位から出走する原則が示されています)。3点差で競った上位3チームが、最後に固まって出てくる並びです。
ふたつめ。1項目の3点で、優勝が決まっていること。さきほどの表のとおり、ウニアンは衣裳の3点、バルバロスは演奏の3点で頂点を逃しました。逆に言えば、そこを1つ埋めれば順位はひっくり返ります。マナー点やリオ3要素の10点減点なら、なおさらです。
みっつめ。今年のS1は6チームで、リベルダージが降格し、代わって第40回S2リーグを297点で制したインぺリオ ド サンバが昇格してきました。ただ、S2優勝の297点とS1最下位の302点は近い数字。昇格即優勝はなかなか厳しい、というのが素直な見方だと思います。
ちなみに小ネタなんですが、この「浅草サンバカーニバルS1リーグの優勝チーム」という問い、10年前の『予言者育成学園』でも第35回(2016年)と第36回(2017年)に出題されているんですよ。正解はどちらも仲見世バルバロスでした。当時と同じ問いを、まったく違う勢力図で解くことになります。
それでは、選択肢を見ていきましょう
① エスコーラ・ヂ・サンバ・サウーヂ
前回王者。351点でトップに立ち、2015年の第34回以来10年ぶり4度目のS1優勝を果たしました。横浜市野毛を拠点に1986年結成で、公式の出場チーム紹介では今年37回目の出場とされています。そして前述のとおり、その第34回は今年と同じ8月29日の開催でした。強みは穴のなさで、5項目すべて55点以上を取ったのはS1でこのチームだけ。逆に言えば単独トップの項目はゼロなので、どこかを1つ削られると2位以下と入れ替わる位置でもあります。チームのあゆみによれば優勝は2010年・2012年・2015年・2025年の4回。2010年に初優勝したあと、2011年は大会そのものが中止になったので、次に開かれた2012年も勝って連続開催の2大会を連取しています。
② G.R.E.S. União dos Amadores(学生サンバ連合 ウニアン・ドス・アマドーリス)
349点で2位、優勝までわずか2点でした。1981年結成で出場は41回目、学生を中心に編成された連合チームです。躍動感58点はS1全体の最高値で、演奏56点も単独トップ。第39回の躍動感は55点でしたから、1年で3点伸ばしています。課題は衣裳52点で、ここだけがサウーヂ・バルバロスに3点負け。第40回では審査委員長が選ぶアサヒビール特別賞も受けています。あと2点というのは、6チームのなかでいちばん優勝に近い距離です。
③ G.R.E.S.仲見世バルバロス
第35回から第39回まで5大会連続優勝の王者で、第40回は348点の3位。テーマの表現55・衣裳55・ダンス56はサウーヂと並ぶ最高値で、アレゴリア外務省中南米局長賞も受賞。落としたのは演奏53点の1項目だけです。第39回は同じ演奏で56点を取っていたので、戻す余地はそこにあります。1980年に仲見世の神輿を担いでいた『祭好会』の高橋重雄氏・諸橋稔氏がプレカーニバルに出たのが起点で、第1回から皆勤の41回目。今年のコンテスト出場14チーム(S1 6・S2 8)のなかで唯一、浅草そのものを拠点にするチームで、沿道の声援は別格です。
④ G.R.E.S. Acadêmicos da Glória(アカデミコス ダ グローリア)
2017年結成、出場5回目という最も若いチーム。第39回のS2リーグを293点で制して昇格し、第40回はS1初参戦で312点の4位。昇格1年目で上位3チームの次に付けたわけで、伸びしろという一点では今年いちばん怖い存在かもしれません。ただ項目別に見ると51・49・49・49・49で、上位3チームの55前後にはまだ5点前後の開きがあります。
残る2チームも見ておきましょう。⑤G.R.E.S. ALEGRIAは1995年結成・埼玉県戸田市拠点で出場26回目。第40回は総合得点なら4位相当の315点でしたから、減点さえなければ表彰台圏に手が届く力はあります。⑥G.R.E.S.Império do Samba(インぺリオ ド サンバ)は1999年結成・東京都杉並区拠点の20回目。第40回S2優勝からの昇格組で、S1では未知数です。
そして⑦その他。ここは「①〜⑥以外のチームが優勝した場合」と「大会やコンテストが中止になって優勝チームが決まらなかった場合」の両方を受け持ちます。前者はS1が8チーム以内という規定のため、出場チームの追加や変更があれば起こりえます。後者については、2011年に東日本大震災で7月30日から延期された隅田川花火大会と日程が重なって開催を断念した例、2020年から2022年のコロナ禍による中止の例があります。今年は開催も出場チームも発表済みなので確率は低いはずですが、空箱ではありません。
まとめ:3点差の中身を、どう読みますか
今年の読みどころは3本です。穴のなさで勝ったサウーヂが、単独トップの項目を持たないまま連覇できるのか。躍動感58点という最高値を持つウニアンが、衣裳の3点を埋めてこられるのか。そして5大会連続優勝を止められたバルバロスが、演奏の3点を第39回の水準に戻せるのか。ここに、昇格1年目で4位に付けたアカデミコス ダ グローリアと、減点がなければ4位相当だったALEGRIAが絡んできます。
トリを務めるのは前回王者のサウーヂ。11年前の8月29日にも、このチームが優勝旗を掲げました。その旗は今年もそのまま横浜へ帰るのでしょうか。それとも浅草に戻るのでしょうか。みなさんの予知、お待ちしています!
本文 6,888文字(実測)/推定読了時間 約12分
判定方法
公式の結果発表をもとに判定します。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございましたー!


