
こんにちは!今日も楽しく未来を予測していきたいと思います!
同じ数字で並んだ2チームの、勝敗の決め方が変わります
まずは去年の話から。2025年8月24日、奈良県大和郡山市。全国金魚すくい選手権大会の団体戦・決勝で、こんなことが起きました。
優勝チーム 68匹。準優勝チーム 68匹。
同じ数字です。3分間で、3人がかりで、1匹の差もつかなかった。このときは決まりに従って優勝決定戦が行われ、55匹対34匹。ここでようやく優勝が決まりました。
……で、ここからが今年の話です。大和郡山市が公式ページに、こう書いています。「各部門の決勝戦にて、最多獲得匹数が同数になった場合、優勝決定戦を実施しておりましたが、今大会より優勝決定戦を行いません」。
去年あの場面を決めた延長戦が、今年から無くなるんです。
第31回 全国金魚すくい選手権大会は、2026年8月23日(日)に金魚スクエア(大和郡山市総合公園施設多目的体育館)で開かれます。午前8時30分開場、9時開会式。私たちが注目する団体の部は、朝いちばんの午前9時30分スタートです。
ちなみにこの8月23日という日付、ちゃんと理由があります。この大会は近年「8月の第3日曜日、ただし日曜が5回ある年は第4日曜日」に開かれる慣例で、2026年の8月は日曜が2日・9日・16日・23日・30日の5回。だから第4日曜の23日、というわけですね。
というわけで、今回みなさんに予知っていただくのは——団体戦で優勝するチームが、決勝ですくう金魚の匹数です。去年は68匹でした。おととしは79匹。その前は281匹。……はい、この「281匹」がとんでもないので、あとでじっくり見ていきましょう。
1,000匹の水槽と、3分間と、1枚のポイ
1995年に始まった、金魚のまちの世界選手権
まずは大会そのものの話から。
そもそも、なぜ大和郡山なのか。市の説明によれば、この土地の金魚養殖は享保9年(1724年)、柳澤吉里侯が甲斐国(現在の山梨県)からこの地へ移ってきたときに始まったと伝えられています。幕末には藩士の副業として、明治維新後は職禄を失った藩士や農家の副業として広がりました。水質と水利に恵まれた農業用のため池が数多くあり、そこに湧くミジンコ類が稚魚の餌に向いていた——という自然条件も味方したそうです。300年続く金魚のまちが、世界選手権の舞台というわけですね。
第1回が開かれたのは1995年8月27日、会場は三の丸会館体育館でした。市の紹介によれば、このときすでに全国から696人が集まっています。第5回からは現在の大和郡山市立総合公園施設多目的体育館——通称「金魚スクエア」——に会場を移し、いまでは大和郡山の夏の風物詩になりました。英語名は Goldfish Scooping World Championship。世界選手権を名乗っています。
ルールはシンプルです。約1,000匹の金魚(4センチメートルほどの和金)が泳ぐ水槽から、1人1枚のポイで3分間に何匹すくえるか。市が公開している第31回の公式規程を開くと、条件がかなり細かく決まっているのがわかります。水槽は縦136センチメートル・横65センチメートル・深さ23センチメートルで、水深は約10センチメートル。ポイは5号・内径約8センチメートルで、しかも競技直前に渡されたものから1分以内に選ぶ。すくった金魚を入れるボールはお椀型で内径20センチメートル以内、個人戦は1人1個ですが、団体戦は1チームに2個です。審判員は各水槽に4人以上つきます。
禁止事項も具体的です。壁面を使ってこすり上げる「壁すくい」、ポイを水面から完全に上げずに流しこむ「流しこみ」、肘を水につけること、ポイの枠を持つこと。スリッパやサンダルでの入場も禁止で、体育館シューズかスポーツシューズを履きます。個人的にいちばん好きなのが、選手注意事項にあるこの一文——金魚は影に集まる習性があるため、麦わら帽子など自分の影が大きくなる帽子をかぶって出場することはできません。影で金魚を集める、という発想が実際に対策されているんですね。
ここで、匹数を読むうえで大事な数字がひとつ。個人戦は1水槽に4人、団体戦は1水槽に2チームが入ります。団体戦は3人1組ですから、同じ水槽を6人で奪い合うことになるんですね。同じ1,000匹でも、1人あたりの取り分は個人戦より薄くなります。
部門は4つ。団体の部が午前9時30分から、秀長さん杯(2人1組)が午前11時30分から、個人戦の小・中学生の部が午後1時から、個人戦の一般の部が午後3時20分から。定員は団体戦300チーム、個人戦は一般600人・小中学生300人、秀長さん杯50チーム。表彰は個人戦が上位10位まで、団体戦が上位5位までです。参加費は無料で、全国大会・奈良県予選ともにエントリーはすでに締め切られています。
団体戦は「一回戦→決勝」の2ラウンド勝負
団体戦の進み方も押さえておきましょう。公式ページには、こう書かれています。「全国大会の団体戦は1回戦と決勝で上位者を決定し、準決勝は行いません」。公式規程はもう一段細かくて、今年の団体戦は一回戦6組の各4位までが決勝進出。つまり決勝に残るのは24チームです(一回戦で同じ匹数だった場合は、抽選で決勝進出チームを決めます)。
去年の第30回でいうと、団体戦の当日参加者は203チーム・609人。一回戦は5組で行われ、決勝に進んだのは25チームでした。そして記録として公表される匹数は、決勝の1本だけの数字です。一回戦との合計ではありません。市が公開している決勝結果表を開くと、優勝チームの欄に「決勝の成績」と「一回戦の成績」が別々に並んでいるので、ここははっきりしています。
面白いのは、一回戦の成績がそのまま優勝につながるとは限らないことです。去年、決勝に進んだ25チームのうち一回戦の匹数が最も多かったのは64匹をすくったチームで、次が60匹。ところが決勝では、64匹のチームが57匹で5位、60匹のチームが60匹で4位に終わりました。では優勝チームの一回戦は何匹だったか。実は39匹です。おととしの第29回も同じで、決勝進出組の一回戦最多は51匹、優勝チームの一回戦は44匹でした。
3分間で決まる競技なので、決勝一発でごっそり順位が入れ替わる。それがこの大会なんですね。
過去6大会の優勝匹数が、4倍以上ぶれています
さて、本題の数字です。市が記録を公開している第25回以降の、団体戦・優勝チームの決勝獲得匹数を並べてみます。
| 回 | 開催日 | 優勝チームの決勝 | 参考:同チームの一回戦 |
|---|---|---|---|
| 第25回 | 2019-08-18 | 146匹 | — |
| 第26回 | (2021-08-22予定) | 中止 | — |
| 第27回 | 2022-08-21 | 125匹 | — |
| 第28回 | 2023-08-20 | 281匹 | 258匹 |
| 第29回 | 2024-08-18 | 79匹 | 44匹 |
| 第30回 | 2025-08-24 | 68匹 | 39匹 |
146、125、281、79、68。最大と最小で4倍以上開いています。しかも並びに規則性がない。ふつう「去年こうだったから今年もこのくらい」と読むところですが、この系列に対してそれをやると、たぶん外れます。
その象徴が第28回です。281匹。他の年の2倍から4倍という数字ですが、これ、決勝だけの現象ではありません。同じ年の決勝結果表を見ると、優勝チームは一回戦258匹・準決勝241匹・決勝281匹。準優勝チームにいたっては一回戦で280匹をすくっています。つまり、その日は最初のラウンドから桁が違ったんです。
ちなみに「準決勝」が出てきて戸惑った方、正しい反応です。第28回の当時は、団体戦にも準決勝がありました。準決勝が無くなったのは第29回からで、去年・おととしの決勝結果表では団体戦の準決勝欄が全チーム0匹になっています。ラウンド構成そのものが、この数年で変わっているんですね。
個人戦も同じでした。第28回の一般の部の優勝は107匹。同じ部門の優勝匹数は、第25回が70匹、第27回が55匹、第29回が38匹、第30回が50匹ですから、107匹がどれだけ突出しているかがわかります。
では、なぜその年だけそうなったのか。……正直に書きますね。市が公開している資料の範囲では、理由を確認できませんでした。競技ルールのページはルール紹介動画への案内が中心で、用具や金魚の条件が年ごとにどう変わったかまでは書かれていません。もっともらしい理由を私が作ることはできるのですが、それをやると予知の材料が濁ります。ここは「そういう年が実際にあった」という事実だけを持っておきましょう。
もうひとつ、表の中の「中止」も見ておいてください。第26回(2021年)の全国大会は開催されませんでした。市の記録ページには、感染防止策を講じて開催に向けて努めたものの、緊急事態宣言等の措置や感染拡大の状況を考慮し、選手の安全を最優先に中止した、という趣旨の説明が残っています。ただし完全に何も無かったわけではなくて、同じ年の奈良県予選だけは7月11日に、個人戦のみ・無観客で実施されています(参加245名)。団体戦は行われませんでした。8択の最後にある「⑧その他」は、空箱ではないということですね。
答え合わせは8月23日の午前中、そして今年の最大の変更点
昼前には決着します
結果が確定するのは2026年8月23日(日)。団体の部は午前9時30分開始なので、朝いちばんの部門です。参考までに、去年の団体戦の決勝結果表は 11時41分の出力タイムスタンプで作られていました。お昼を待たずに答え合わせができる、とてもテンポのいい未来クイズです。
判定は、大和郡山市が公開する大会記録ページの団体戦・優勝チームの匹数で行います。毎年、部門ごとの結果表がPDFで公開されているので、当日または数日以内にはっきり確認できます。
「優勝決定戦を行いません」が意味すること
そして今年の最大の変更点です。公式ページの記述をもう一度、正確に引いておきます。
各部門の決勝戦にて、最多獲得匹数が同数になった場合、優勝決定戦を実施しておりましたが、今大会より優勝決定戦を行いません。(獲得匹数が同数の場合は、準決勝での獲得匹数が多い者を優勝とします。)
ここで団体戦だけ、ちょっとややこしいことになります。さきほど見たとおり、団体戦には準決勝がありません。では同数のときは何で決めるのか。
答えは公式規程の第5条3項に書いてありました。決勝で同匹数の場合は準決勝の匹数で入賞者の順位を決め、準決勝の匹数も同数の場合は一回戦の匹数で順位を決める。そして一回戦も同匹数だった場合は、抽選で決める——と定められています。
団体戦には準決勝が無く、決勝結果表でも準決勝欄は全チーム0匹。つまり団体戦で決勝が同数になったら、条文上、一回戦の匹数がそのまま順位を決めます。それも並んだら抽選です。
で、これを去年に当てはめてみると、けっこうすごいことが起きます。
| 決勝 | 一回戦 | 優勝決定戦 | |
|---|---|---|---|
| 実際に優勝したチーム | 68匹 | 39匹 | 55匹 |
| 準優勝だったチーム | 68匹 | 42匹 | 34匹 |
一回戦は準優勝チームの42匹が上なんです。つまり去年とまったく同じ結果が今年起きたなら、優勝旗は反対側へ渡ります。同じ68匹対68匹でも、勝者が入れ替わるわけですね。
ただし——ここが今回の問いのポイントなんですが——優勝チームの匹数は、どちらが勝っても68匹のままです。ルール変更が動かすのは「誰が優勝するか」であって、「優勝チームが何匹すくうか」ではない。この非対称は、予知るうえで意識しておくと迷いが減ります。
ちなみに去年の大会、同数決着は団体戦だけではありませんでした。小・中学生の部も32匹対32匹で並び、報道によれば優勝決定戦を経て決着しています。3部門のうち2部門が延長戦。そう考えると、今年のこのルール変更、けっこう大きな話なんです。
それでは、選択肢を見ていきましょう
考察に入る前に、2026年の「今の水準」を示す唯一の実測データを置いておきます。7月5日に行われた第31回の奈良県予選です。
| 回(予選) | 予選日 | 団体の部 優勝 | 一般の部 優勝 | その年の全国大会(団体) |
|---|---|---|---|---|
| 第29回 | 2024-07-07 | 68匹 | 30匹 | 79匹(予選の約1.16倍) |
| 第30回 | 2025-07-06 | 42匹 | 24匹 | 68匹(予選の約1.62倍) |
| 第31回 | 2026-07-05 | 62匹 | 58匹 | ? |
62匹に1.16〜1.62倍を当てると、72匹〜100匹。しかも一般の部の予選優勝が58匹で、前年24匹・前々年30匹から大きく戻しているのが目を引きます。
ただしこの倍率、根拠になっている実例は2年分だけです。1.16倍と1.62倍という散らばり方からしても、精度の高い道具ではありません。会場も違います(予選は三の丸会館、全国大会は金魚スクエア)。そして参加資格も違う。募集要項によれば、奈良県予選は「奈良県在住で全国大会に出場できる小学生以上の金魚すくいが好きな人」が対象で、逆に全国大会のほうは「小学生以上」だけれど奈良県在住の人は県予選を通過した人に限られる——団体戦ならキャプテンが奈良県在住かどうかで振り分けられます。県予選から全国大会へ上がれるのは、団体戦で上位20チーム(今年の予選は140チーム・420人が参加)。つまり62匹という数字は、全国の強豪が揃った場での数字ではないんですね。補助線として扱ってください。
62匹を出したのは、どういう層か
では、その補助線を少し補強してみましょう。どういう層がその数字を出したのかを見ると、印象が変わります。
市の公開記録を年度をまたいで並べていくと、あることに気づきます。別の回に別のチーム名で登場している、同じ構成の3人組が複数あるんです。3人のうち1人が入れ替わればチーム名も変わり、登録される拠点の都道府県すら動く。全国優勝の実績があるチームが、数年後にはまったく違うチーム名で決勝の上位に並んでいる、ということが普通に起きています。チーム名は、毎年張り替えられるラベルでしかないわけですね。
そのうえで今年の県予選を見ると、団体の部を62匹で制したチームも、一般の部を58匹で制した選手も、過去に全国大会の決勝上位へ記録を残している顔ぶれと重なります。とくに一般の部を制した選手は、去年の全国大会の団体戦で4位に入ったチームの一員。あの、一回戦で60匹をすくい、決勝でも60匹を維持したチームです。
つまり今年の予選の数字は、全国の決勝常連と重なる人たちが出したものである可能性が高い。「県予選だから水準が低い」と単純に割り引くのは危ない、ということですね。
そしてこのチーム名の張り替わりは、今回の出題設計そのものにも関わっています。だから今回の未来クイズは「どのチームが優勝するか」ではなく「何匹すくうか」を問うています。出場チーム一覧は事前に公表されませんし、名前は毎年組み替わる。当てようがないものを当てさせるわけにはいきませんからね。
では選択肢を、私が有力だと思う順に並べていきます。
③ 76〜90匹
予選からの外挿(72〜100匹)の下半分がここに入り、おととし第29回の実績79匹もこの帯です。直近の実測水準からいちばん素直に伸ばせる位置といえます。前回の68匹から少し戻る、くらいの読みですね。
④ 91〜110匹
外挿レンジの上半分。今年の奈良県予選が一般の部58匹(前年24匹)、団体62匹(前年42匹)と明確に上振れしていることを重く見るなら、この帯まで届きます。しかもその62匹・58匹を出したのが、さきほど見たとおり全国の決勝上位と重なる層。全国大会には予選を経ない強豪も加わるので、県予選の水準がそのまま天井になるわけではありません。
② 61〜75匹
去年の68匹がここ。直近2大会(79匹→68匹)は下降トレンドにあり、その流れがもう一段続くと読むならこの帯です。団体戦は1水槽に6人という混み合った条件なので、上振れしにくい構造もあります。ただし予選の数字が戻っている点とは、やや噛み合いません。
⑤ 111〜135匹
第27回(2022年)の125匹がこの帯。2019年146匹・2022年125匹という、かつての「120〜150匹が当たり前」だった水準への回帰シナリオです。直近2大会からは遠い数字ですが、この大会の振れ幅を考えると切り捨てられません。
⑦ 171匹以上
第28回(2023年)の281匹型、つまり大会全体で数字が跳ねる年の再来です。一回戦から桁が違う日が実際に一度あった以上、確率は低くてもゼロにはできない帯。もしこの帯が正解になったら、答え合わせの日はちょっとしたお祭りになりますね。
残る3つも見ておきましょう。①60匹以下は、今年の県予選の62匹すら下回る、記録が過去最低水準まで沈むシナリオ。数字としてはあり得ますが、直近2大会でも68匹は確保されています。⑥136〜170匹は第25回の146匹の帯で、⑤よりさらに高い水準への回帰。そして⑧その他は、大会や団体戦そのものが中止になる、あるいは記録が公表されない場合を受け持ちます。第26回の中止という実例がある以上、こちらも空箱ではありません。
まとめ:数字を読むか、流れを読むか
整理しましょう。ひとつめ、過去6大会の優勝匹数は146・(中止)・125・281・79・68と4倍以上ぶれていて、平均も直近もそれ単独では頼りになりません。ふたつめ、2026年の唯一の実測データである奈良県予選は62匹で、去年の予選42匹から明確に戻しています——外挿すると72〜100匹あたりですが、これは2年分の倍率から引いた細い線です。ただしその62匹と58匹を出したのが全国の決勝上位と重なる層である点は、線を少しだけ太くしてくれます。みっつめ、今年から優勝決定戦が無くなり、団体戦には準決勝も無いため、決勝が同数なら公式規程第5条3項に従って一回戦の匹数で順位が決まります(それも同数なら抽選)。去年の68匹対68匹に当てはめると優勝チームは入れ替わりますが、優勝匹数そのものは68匹のまま。つまりこのルール変更は、今回の問いの答えを動かしません。
直近2大会の実測を信じて低めに置くか、今年の予選が戻していることを信じて中ほどに置くか。それとも、あの281匹をもう一度信じてみるか。
答えが出るのは8月23日(日)の午前中。1,000匹の水槽の前で、3分間、6人がポイを構えます。みなさんの予知、お待ちしています!
本文 7,510文字(実測)/推定読了時間 約13分
判定方法
公式サイトの発表で判定します。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございましたー!


